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Hearthstoneの翻訳とか

ハースストーンにおけるテンポとは何か?

元記事:

www.icy-veins.com

  

テンポは初心者にとって、あるいは中級者以上のハースストーンプレイヤーにとっても混乱しやすい概念です。
この言葉は多くの異なる文脈で使われ、それぞれ少しずつ違う意味を持ちます。
それゆえこの文章の目的は一般的な使われ方を説明することとします。

1.テンポの理解

テンポという言葉が一般的にどう使われているかを一歩踏み込んだ概念をふまえて見ていき、テンポがあなたのゲームプランに何をもたらすかを説明します。また、テンポデッキの具体例を見て、なぜそう呼ばれるかについても説明します。

 

1.1一般的な定義

テンポはバリューやカードアドバンテージ等の概念とは違い、その状況を一目見てわかるものではありません。
2:1交換が出来れば高いバリューを出したことはすぐわかり、どちらが多くカードを持っているかでカードアドバンテージも一目瞭然です。
しかしテンポはもっと複雑な命題なのです。

テンポを理解する一番の方法はマナとの関係を見ることです。テンポは基本的に試合中のあなたの進行速度で測られます。そして、その速度を制限する主な要因は1ターン中に使えるマナです。

あなたがコアハウンド(7/9/5)をプレイしたとしましょう。7つのテンポ(ここではマナコスト)をコアハウンドをプレイするために投資しました。もし相手がメイジだったとすると4マナでファイアボールを打ち、コアハウンドを破壊することができます。そして3マナを使って他のミニオンをボードにプレイすることが出来ます。これが粘着性のある、つまりヘルスが高かったり断末魔を持っている等でボードに残りやすいミニオンがテンポデッキで好まれる一つの理由です。言い換えると、除去されやすいミニオンはテンポが悪いといえます。

1.2 詳細な概念

もしあなたがよくハースストーンのストリームを見るなら、配信者が「どうやってテンポとろうか?」や「テンポとバリューどっちに行くべきかな?」などと言っているのを聞いたことがあるでしょう。これはテンポをどちらが先行しているかの指標として使っていて、1.1で説明したような相互作用の結果に大きく関係していますが、デッキの型や戦略によるところも大きいです。意図的にテンポで遅れを取ろうとするデッキもたくさん存在します。

基本的にテンポを取っているプレイヤーは問題を提示し、テンポで後れを取っているプレイヤーに対して解答を求めます。例えばあなたはミニオンをボードにプレイして相手にこう質問します。「除去スペルはありますか?」これはあなたがテンポを取っています。

ここからテンポとバリューの違いがはっきりしてきます。例を出すと、フレイムストライクや聖別はバリュープレイのためのとてもいいカードです。これらは1枚で3枚以上のカードを破壊することもよくあるからです。しかしながら、これらはテンポに関してはかなり悪いカードと言っていいでしょう。というのはこれらのカードを使ったターンあなたは別のカードをほとんどプレイすることが出来ないからです。すると相手はもう一度ボードにミニオンを並べ、テンポを維持し、またあなたに解答を求めることが出来るのです。

ここでよくあるテンポとバリューについてのジレンマを紹介します。
相手が1ターン目に2/1のミニオンをプレイしました。あなたはメイジで、2マナと2/2/3のスノーチャガーを持っています。ここでバリュープレイはヒーローパワーで2/1ミニオンを破壊することです。カードを使うことなくミニオンを破壊したのでカードアドバンテージを得ました。しかしながら、相手はまた空のボードにミニオンを出し、解答を求めることが出来ます。つまり、テンポを取っています。もしあなたが単純にスノーチャガーを出せば今度はあなたが相手に解答を求めることが出来ます。これがテンポを取ろうとする行動です。

ある種のカードはこのテンポを取る試みにとてもいい働きをし、テンポカードもしくは単純に速いカードとして知られています。一般的にプレイしてすぐ効果を発揮するカードが当てはまります。例としてSI:7諜報員について考えてみましょう。先程と同じようにマナをテンポを図る単位として使用します。2ターン目にナイフジャグラーをプレイした相手に対して、あなたはコインからSI:7をプレイしナイフジャグラーを破壊しました。そして相手は3ターン目にヘルス3マナのミニオンをプレイし、あなたはそれとSI:7でトレードします。これは2:1交換なので誰が見てもいい状況です。より重要な観点として、3マナのSI:7で5マナ分のカードとトレードをし、ミニオンを先出しする権利を相手から奪ったのです。これがテンポの力です。

1.3 テンポデッキ  

3つ目の、そして最も重要ではないテンポという言葉の使い方は単にデッキタイプを説明するものです。

例えば我々のサイトでテンポメイジのガイドを見つけられるでしょう。テンポメイジは、上で説明した2つのテンポアドバンテージを得て戦うデッキです。魔法使いの弟子でスペルのコストを減らしたり、フレイムウェイカーでスペルによるボードへの影響を強めてテンポを稼ぎます。本質的にテンポデッキは常に先行しようとするデッキです。除去よりミニオンを多くプレイし、ボードを先に先に支配しようとします。

アグロデッキはこれらとは違い、テンポよりダメージを優先します。序盤の数ターンはアグロデッキがテンポを取ることが多いですが、ゲームが終盤に向かうにつれて相手のデッキがテンポを取り、アグロデッキは相手が試合を終わらせるのに十分なアドバンテージを得る前に直接的なダメージが必要になっていきます。

2.テンポを有効活用する

さて、今あなたは知識で武装したわけですがこれを使ってアドバンテージを得るためにどうすればいいでしょう。

この記事から得られる最も大事なことは、テンポプレイとバリュープレイを区別し、しばしばどちらが正しくどちらが間違っているかを考えることです。

あなたが出会うそれぞれの状況でその判断をすることはとてもきわどいものでしょう。もし対戦相手がテンポプレイをしようとしていた場合、その相手からテンポを取り返したいと思うのが普通です。しかし、もしあなたがコントロールウォリアーやフリーズメイジのような試合の大部分でテンポが遅れるようなデッキを使っていた場合、テンポは無視することが出来ます。

テンポとバリューの選択は難しく、経験が必要ですが、テンポとはどういうもので何がいいのかを知ることはファーストステップとなるでしょう。

初心者にありがちな失敗が、自分よりアグレッシブなデッキに対して、相手にミニオンを出させないようにする為に除去を使い続けてしまうことです。あなたはいつかのタイミングで相手より強いミニオンを出してテンポを取ろうとしなければなりません。これをしなければ相手は単純にボードにミニオンを展開し続けることができ、何のプレッシャーもかからないのです。例外として、上でいくつか述べたようなレイトゲームでの圧倒的な強さの為に序盤中盤はただ生き残ることを考えるようなデッキはテンポを完全に無視したプレイをすることになります。